適応障害
適応障害

適応障害は「ストレス障害」とも呼ばれ、日常生活で生じるさまざまなストレスがきっかけとなり、こころや身体に不調があらわれる病気です。
仕事や家庭、人間関係などの生活環境の変化が原因となることが多く、些細な出来事でも症状を引き起こす場合があります。
ストレスに対する感じ方や環境への順応の仕方は人それぞれ異なります。
同じ状況でも影響を受けない人もいれば、大きな心理的負担となり日常生活に支障が出る人もいます。本人にとって重大な変化と感じられるほど、普段の生活へ影響が強くなります。
適応障害は「気の持ちよう」や「甘え」ではなく、医学的に認められた病気です。
ストレス要因が明確であれば、それを取り除いたり軽減することで比較的早期に回復するケースもあります。ただし、放置すると症状が悪化したり、うつ病など他の精神疾患へ発展する可能性もあるため、早めの相談と適切な治療が大切です。
ストレスの内容や本人の性格傾向によって症状の現れ方は異なりますが、代表的な症状は以下の通りです。
このように、「一見ストレスと関係なさそうな症状」も生じるため、初めは適応障害の発症に気づかれにくいケースもあります。
症状が重くなると精神的なコントロールが難しくなり、日常生活が困難になることがあります。
適応障害は、日常生活におけるさまざまなストレスに対して、こころや身体がうまく適応できなくなったときに発症します。どのような出来事がストレスになるかは人それぞれ異なり、些細に見えることでも大きな引き金になる場合があります。具体的には、次のようなストレス環境が挙げられます。
このように、適応障害の要因には、生まれ持った性格や気質といった先天的な要因から、生活環境や人間関係などの後天的な要因まで、さまざまなものがあります。
それらが重なったり長く続いたりすることで、心身のバランスを崩し、症状があらわれます。
適応障害は「誰にでも起こりうる病気」であり、決して「気の持ちよう」や「弱さ」のせいではありません。
自分優しく向き合い、無理をしすぎない寛容な考えを持つことが、回復や再発予防につながります。
当院では、医師による診察・問診を中心に、必要に応じて血液検査や心理検査などを行い、うつ病や他の疾患が隠れていないかなど鑑別診断行い、国際的な診断基準(DSM-5、ICD-10)に基づいて診断します。
適応障害の治療は、ストレスの原因への対処と、心身の回復をサポートする両面からのアプローチをすることが大切です。
適切な治療を受けることで、多くの方が回復できる病気です。治療を始めることに不安を感じる方もいますが、患者さまのお話をじっくり聞きながら、一人ひとりにあった治療法を一緒に考えていきます。
まず大切なのは、自分がどのようなストレスを感じているのかを振り返り、それを整理すること。その上で、可能であれば原因を減らしたり一時的に距離をとることが大切です。
職場であれば、上司や人事に相談して業務を調整したり、一時的に休職することも選択肢の一つです。
学校であれば、学校を休んで休息を取ること、苦手な人との距離を保ったり、必要であれば友人や先生に仲介してもらうことで負担を軽くすることも重要です。
睡眠や食生活の乱れは症状を悪化させます。規則正しい生活とバランスのとれた食事を心がけましょう。
散歩や趣味など、無理のない範囲で小さな楽しみを取り入れると、気分の改善につながります。
医師や臨床心理士と、ストレスへの向き合い方や考え方を一緒に整理していきます。
代表的な方法に認知行動療法(CBT) があり、物事の受け止め方や思考パターン、行動の傾向を見直すことで、気持ちが楽になり症状の改善と再発予防にもつながります。
強い不安や不眠、気分の落ち込みがあるときには、必要に応じて一時的に抗不安薬や睡眠導入剤、抗うつ薬などを使用する場合があります。
薬物療法はあくまでサポートであり、根本的なストレスの原因への対処に取り組むことと並行して行います。依存性の少ない薬や漢方などさまざまな選択肢もあるため、医師と相談しながら調整することが大切です。
当院では、うつ病に悩む患者さま一人ひとりに対し、温かく寄り添う医療の提供を心がけています。
適応障害は、誰にでも起こりうる「こころの反応」であり、特別な人だけがかかる病気ではありません。特に、責任感が強く、まじめで頑張りすぎてしまう人ほど、自分に過度な負荷をかけて発症しやすい傾向があるとされています。
「こんなことで弱音を吐くなんて」と一人で抱え込まず、心や体が発する小さな変化やSOSに、どうか気づいてあげてください。気づきと受診のタイミングが早ければ早いほど、回復への道はぐっとひらけていきます。
適応障害の治療は、前提としてストレス源を特定して距離を置くことで改善されます。しかし、家庭の問題でストレスから離れられない、仕事を休みたくないと思われる方もいらっしゃるかと思います。休職、負担軽減の診断書発行による環境調整、薬物療法やカウンセリングなど、症状や患者さまの状況やご希望に合わせた治療計画を患者さまと相談しながら練らせていただきます。
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