パニック障害
パニック障害

パニック障害は不安障害の1つで、生涯でおよそ100人に1~2人が経験するといわれています。男女比はほぼ1:2と女性に多く、男性は20歳代、女性は20~40歳代に多くみられます。
時間や場所を問わず、突然激しい動悸や息苦しさ、めまい、吐き気、発汗などの症状が出現し、「このまま死んでしまうのではないか」と強い恐怖に襲われることがあります。
発作は数分から30分程度続くことが多く、繰り返すうちに「また発作が起きるのではないか」という不安が続く「予期不安」や、人混みや発作が起こりそうな場所・状況を避ける「広場恐怖」がみられるのが特徴です。
また、症状が繰り返され慢性化すると、うつ病を併発するリスクもあり、これは「パニック性不安うつ病」と呼ばれ、症状の改善が遅れてしまう原因となる場合もあります。
しかし、適切な治療を受ければ、症状は十分に改善可能です。ここでは原因、症状、治療などについて見てみましょう。
最初にパニック発作が起こるきっかけは、ストレスやトラウマ・過労などであると考えられています。また、脳内の神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン)の働きが関与しているといわれています。
セロトニン
不安や恐怖を和らげ、心の安定を保つ作用があります。
パニック障害では、セロトニンの働きが弱まることで、不安や恐怖を感じやすくなってしまいます。
ノルアドレナリン
危険を察知すると心拍数や血圧を上昇させ、心身が危険(戦う・逃げるなど)に対応できるようにする作用があります。
パニック障害では、実際に危険がなくても過剰に分泌され、体が「大きな危険が迫っている」と誤って反応してしまうことで発作が起きると考えられています。
発作が起きそうな場所や状況を避けるようになり、行動範囲が制限されていきます。
このような回避行動が進むと、外出が困難になり、社会的に孤立してしまうこともあります。
当院では、医師による診察・問診(いつから、どのような症状が続いているか、生活や仕事・学業への支障など)を中心に、必要に応じて血液検査・心理検査などを行い、専門的な視点で診断を行います。
パニック障害の治療は、薬物療法と認知行動療法を組み合わせて行うことが多いです。
薬物療法では、主に抗うつ薬の一種である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や抗不安薬が使われます。
脳内のセロトニンの働きを整えることで、不安や恐怖を和らげる薬です。効果が現れるまでに2~4週間ほどかかりますが、継続して服用することで症状を安定させることが期待できます。
吐き気や眠気などの副作用が効果よりも先に出現することもありますが、通常1~2週間程度で自然に改善します。
即効性があり、SSRIの効果が出るまでの間や、発作が起きたとき、不安が強いときに補助的に使用することがあります。不安や緊張を抑える効果がありますが、長期使用では依存や耐性のリスクがあるため、医師の指示に従って慎重に服用することが大切です。
認知行動療法では、考え方や行動パターンを見直し、不安を少しずつ和らげる心理療法です。大きく「認知療法」と「行動療法」の2つに分かれます。
パニック障害の特徴について理解しながら、「自分は死んでしまうのではないか」などといった極端な捉え方を少しずつ修正していきます。マイナス思考をプラスに変えるなど、考え方を修正する習慣を身につけます。
避けていた場所や状況に、段階を踏んで少しずつ慣れていく方法です。「思ったより大丈夫だった」という体験を積み重ねることで、不安が和らいでいきます。
パニック障害の治療は時間がかかりますが、焦らず一歩ずつ継続することで、少しずつ症状が改善します。早めに専門医を受診することで、日常生活への影響を最小限に抑えることが可能ですので、気になる症状がある場合はご相談ください。
当院では、パニック障害に悩む患者さま一人ひとりに対し、温かく寄り添う医療の提供を心がけています。診断から治療、再発予防まで、医師が丁寧にサポートいたします。
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