躁うつ病
躁うつ病

双極性障害は、以前は「躁うつ病」と呼ばれていた精神疾患で、「気分が落ち込むうつ状態」と「気分が高ぶる躁状態」を数週間から数か月、あるいは数年をかけて繰り返すことを特徴とします。
発症は20~30代に多く、発症頻度はおよそ100人に1人と、決して珍しい病気ではありません。
誰にでも気分の浮き沈みはありますが、周囲の人が「いつもと違う」と感じるほど気分の波が大きく変動するため、家族や周りの人が困ったり、社会的信用を失ってしまうなど、日常生活や仕事、人間関係に影響を及ぼすことがあります。
躁状態のときは気分が高揚し活動的なので、本人には病気の自覚がないことが多くあります。そのため、うつ状態のときにだけ受診し、「うつ病」と診断されるケースも少なくありません。
しかし、双極性障害とうつ病では治療法が異なり、うつ病の治療のみを行うと症状を悪化させてしまうことがあります。
うつ病の治療を続けてもなかなか回復しない場合、実は背景に双極性障害が隠れていることもあります。
本人だけでなく、ご家族や周囲の人が気分の波に気づき、早めに専門医へ相談することで、適切な診断と治療を受けることが大切です。
Ⅰ型は社会生活に支障をきたすほどの強い躁状態が1回でもみられたことがあるタイプです。
症状が強い場合は、仕事や家庭に大きな影響を与えたり、入院治療が必要になることもあります。
また、うつ状態では希死念慮(死にたい気持ち)が強くなる傾向があります。
Ⅱ型はⅠ型のような強い躁状態までは至らず、比較的軽い「軽躁状態」と呼ばれる高揚感と、重いうつ症状を繰り返すタイプです。
社会生活をある程度維持できるため、本人は気づかず、周囲が「元気すぎる」「いつもと違う」と感じて発覚することもあります。
また、うつ状態が長引くことが多く、単なるうつ病と誤診されることもあります。
双極性障害の原因は解明されていませんが、うつ病と比べて脳の神経伝達物質(セロトニンやドーパミンなど)のバランスの乱れや、家族に双極性障害の方がいる場合は発症のリスクが高まるといわれています。
また、睡眠不足や生活リズムの乱れ、ホルモンバランスの変化も関わっているとも言われています。
当院では、医師による診察・問診を中心に、必要に応じて血液検査・心理検査などを行い、専門的な視点で診断を行います。
双極性障害は、薬物療法を中心とした長期的な治療が必要です。
一時的に症状が落ち着いても、自己判断で治療を中断すると再発のリスクが高まるので注意が必要です。
当院では、気分の波を安定させ、再発を防ぐために、薬物療法と心理療法を併用しながら、継続的なサポートを行っていきます。
その他、抗うつ薬や抗不安薬など患者さまの症状に合わせて使用を検討します。
カウンセリングや認知行動療法(CBT)などを通して、患者さまとご家族が病気を理解してセルフケアできるよう支援します。
日常生活では睡眠・食事・運動など生活リズムを整えることや、アルコールやカフェインの過剰摂取を控えることも重要です。
これらは薬物療法と組み合わせることで再発予防が期待でき、安定した生活を送ることが可能になります。
当院では、双極性障害に悩む患者さま一人ひとりに対し、温かく寄り添う医療の提供を心がけています。
双極性障害の治療は長期にわたりますが、早期に治療を開始することで、患者さま本人や周囲への影響を軽減することに繋がります。
「ただの気分の浮き沈みだと思っていた」「誰に相談してよいかわからない」など、少しでも気になる症状があれば、どうか一度ご相談ください。
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