福岡がん治療ブログ

福岡天神がんクリニックのスタッフが発信する「がん」に関する情報

変更日/2023.09.25

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がん免疫療法

【がん免疫療法の特徴】

身体の免疫力を高め、体内のがん細胞を攻撃する~

 

人の体に元から備わっている免疫機能を活性化させて、がん細胞を攻撃することを目指した治療法です。

 

免疫療法にはさまざまな免疫の特徴を生かした、いくつもの治療法があります。

 

医療機関が独自の名前を付けている場合もありますが、大きく分けるとAT(活性化リンパ球)療法、NK(ナチュラルキラー)細胞療法、DC(樹状細胞)療法が代表的な治療法となります。

 

がんペプチド療法やサイトカイン誘導治療といった名称を付けている場合も、仕組み的にはこれらの治療法の一種です。

 

体内のがん細胞を非自己と正しく判断して攻撃を促すことが出来れば、素晴らしい結果が得られる治療法だと言えます。

 

 

【免疫療法のメリットとデメリット】

~自己の正常細胞には攻撃しないので、副作用が少なく身体への負担が少ない~

免疫療法の大きなメリットは、自己の自然治癒能力を強化するという治療法なので正常な細胞に対しては悪影響を与えず、身体への負担が少ないところです。

 

人間の体には、ウイルスや細菌などの病原体を異物とみなして攻撃し排除する免疫システムが備わっています。

その免疫力を最適、最大化して体内からがん細胞を排除していきます。

 

抗がん剤のようにすべての細胞に対して攻撃をしてしまうことは無いので、大きな副作用もなく、免疫力が高まることによってがん以外の病気にもかかりづらくなったり、身体の調子が良くなった気がするというような声も聞かれます。

 

また治療を行なう上で入院をする必要もなく、点滴や注射による治療だけなので長時間の拘束もありません。

仕事や家事を続けながら治療ができるというのもメリットの一つです。

 

【がん細胞を非自己と判断できなければ効果が無い】

体内の免疫システムは、身体の外から侵入する異物や、体内で日々発生する異常な細胞を異物と判断して排除することで、人はがんを含めてさまざまな病気にならずにすみます。

 

ところが、がん細胞の多くは免疫システムに非自己と判断されないようにする能力をもっています。非自己と判断できなければ免疫システムががん細胞を攻撃することはありません。

 

がんが発生し、進行してしまうのは、がん細胞を免疫が自己と判断してしまい攻撃されることなく生き延び、増殖してしまった結果です。

その為、いくら免疫力を強化したとしても、免疫システムががん細胞を自己と判断している限りは効果がありません。

 

免疫療法の効果を上げるためには、がん細胞を自己と認識している免疫システムを、いかにして非自己と判断するように変換するかが最も大切なポイントです。

 

【遺伝子治療と組み合わせることでがん細胞を非自己と認識する可能性が上がる】

免疫療法の最大の弱点は、がんの抗原を免疫細胞が認知できず、非自己と判断できないところです。

 

そこに遺伝子治療を併用することで、大きな相乗効果が生まれる可能性が分かりました。

 

遺伝子治療は、がんを抑制する遺伝子を体内に導入することで、がんの増殖をストップさせたり、アポトーシス(自滅)に誘導することができます。

この時に免疫療法を併用することで、がん細胞がアポトーシス(自滅)した時に吐き出される抗原を免疫システムが認知して、免疫細胞にがん細胞の目印を教えます。そうなると免疫細胞はものすごい力を発揮して、非自己と判断したがん細胞に攻撃を仕掛けるようになるのです。

 

もし免疫療法をやっているのだけれども思うような効果が出ないという方は、がん細胞を非自己と認識させて免疫療法の効果を高めるために遺伝子治療を加えること検討すると良いかも知れません。

 

免疫療法というのは現在のところ非常に高額な治療法です。受ける際には決心も必要だった方も多いでしょう。せっかく高まった免疫力を十分に使い切るためにも遺伝子治療との併用はとても役に立つことでしょう。

 

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