大腸がん ステージ4 手術?化学療法? 2021年2月10日、国立がん研究センターから検証結果が発表されました。 ・これまでステージ4大腸がんで原発巣の症状がない場合、 原発巣の切除を優先するかどうかについては医師により意見が分かれていた。 ・検証の結果、切除 「する」のと「しない」で生存期間に差はなかった。 ・切除後の化学療法では切除した方が有害事象の頻度が高かった。 ・原発巣による症状がない場合は、切除せずに化学療法を行ったほうが良いという結果になった。 詳細は国立がん研究センターのホームページをご確認ください。 https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2021/0210/index.html https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2020/20210210/press_release_20210210.pdf
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【がん病巣の切除が可能であれば積極的に行われる治療法】 がんの手術・外科療法は白血病のような全身に広がるものを除き、 ほとんどすべてのがんに対して第一に選択される治療法です。 がんが一部に留まっている初期から中期のがんにはもっとも有効な選択肢と言えるでしょう。 その反面、目に見えないレベルの極小さな転移(マイクロ転移)は治療することが出来ません。 また手術の多くは麻酔をかけて行ないますので、 手術以前に麻酔に耐えられない場合は手術の適応外となります。 腫瘍部位を切除することによって生体機能が損なわれ、 術後障害などQOL(生活の質)の面でどうしてもマイナスになる可能性はつきまといます。 【手術のメリット・デメリット】 がん細胞がどこにも転移していなければ7割の確率で完治します。 がん手術のメリットは、がんの組織を局所的に取り除くことが出来る点が上げられます。 がん細胞を完全に取り除くことが出来ればがんは完治しますが、 現実的には目に見えないレベルの小さながん細胞が転移していることも多いようです。 一説によると早期の胃がんの場合は、手術によってほぼ100%の確率で完治すると言われています。 しかし、5年後、10年後に3割の方のがんが再発しているという事実から考えると、 手術が成功したら終わり、というような簡単な病気では無いということです。 しかし、がんは悪者で悪いものは取ってしまうのが一番いいという風潮が強く、 日本でがんの手術件数が多くなる大きな理由ともなっています。 手術のメリットは他にもあり、抗がん剤や放射線治療に比べて副作用が少ないという点があげられます。 しかし、臓器そのものを摘出してしまうので後遺症が残ること(臓器不全)があり、絶対に安全とは言いきれません。 がん手術のデメリットをあげてみると、 「手術をするとがんが飛ぶ」というのを聞いた事がある方もいらっしゃると思いますが、 手術したことで免疫力・抵抗力が下がり、今まで小さかったがんが大きくなり、がんが芽吹いてしまうことがあるのです。 また、手術時にメスの先端からがん細胞が別の場所に飛び、他の臓器へ転移するという可能性もあります。 そして、手術は体にかかる負担がとても大きいです。 近年では内視鏡手術の技術が向上して、治療の適応範囲が広がり、 以前と比べると体の負担は少なくなりましたが、 開腹手術のような大きな手術であれば、どうしても社会復帰に時間がかかってしまいます。 例えば、たった2cmの肺がんを手術で切除するために、 脇腹を30cmも切らなければならない、といったこともあります。 その結果、今までと同じような生活を送ることが出来なくなり、 手術後に長期間のリハビリが必要になってしまったりします。 https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/operation/ope02.html
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【トリプルネガティブ乳がんとは?】 トリプルネガティブ乳がんとは乳がん細胞の表面に、 ホルモン受容体である①エストロゲン受容体と②プロゲステロン受容体、そして ③HER2(ハーツー)タンパクの 3 つがいずれも存在しないタイプの乳がんです。 治療には、ホルモン療法薬や抗 HER2 薬は使わず、抗がん剤を使うのが一般的です。 乳がん全体の15~20%がトリプルネガティブ乳がんだと言われています。 トリプルネガティブ乳がんは、ホルモン療法や抗HER2療法の効果は期待できませんが、一方で、化学療法の感受性は高いといわれており、なかには予後良好な性質のものも存在します。 【乳がんの進行度】 乳がんの進行度は以下の基準で5つに分けられます。 しこりの大きさと乳房内での拡がり具合 リンパ節への転移状況 身体の他の臓器への転移の有無 ■乳がんの進行度(臨床病期分類) 参照:日本乳癌学会編.臨床・病理 乳癌取扱い規約 第18版.2018年,p6,金原出版 【乳がんの最も基本的な治療は手術】 この中で最も基本となるのが手術です。 その理由は、身体の中にできた悪い細胞を一度に全て取り除くことが根治への近道であり、 他の治療法を加えるにしても、手術によりがんの量を少しでも減らした方が、他の治療を成功させる確率が高くなるからです。 しかし、最近は、乳がんの手術に対する考え方が変わり、薬物療法、放射線照射法が進歩したことから、手術主体の治療ではなく、 患者さんの病態に応じて、これらの治療法がうまく共働するように組み合わせて、治療を行うことが多くなってきています。 しこり(がん)の大きさや拡がり、悪性度、リンパ節への転移状況、その他の検査所見をもとに治療法が決定されます。 がんが少々大きすぎたり、リンパ節への転移があるような場合、あるいは、大き目のしこりを小さくして乳房温存手術ができるようになるかどうかを検討する場合には、 手術前に薬物療法を行います。逆に、乳房から離れた臓器に既に転移(遠隔転移)しているときは 、手術以外の治療法が主として検討されますが、最初に手術をしてがんの量を減らしてから、薬物療法を行うこともあります。
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【広範囲に作用してがん細胞の増殖を抑える】 細胞の増殖を抑える抗がん剤を用いて、がんの増殖を抑え、転移や再発を防ぐ目的で治療が行われます。 手術や放射線は局所的な治療であるのに対して、抗がん剤はより広範囲に治療の効果が及ぶので、 血液やリンパのがんのように広い範囲の治療を行う必要があるときに用いられます。 完全に治すことができない場合でも、 がん細胞を小さくすることで延命効果や痛みの症状などを和らげることが期待できます。 がんに対する薬は現在100種類近くあり、単独の薬剤で治療する場合と、 複数の抗がん剤を組み合わせて治療する場合があります。 錠剤やカプセルなどの経口投与や、点滴や注射で直接体内に注入する方法があります。 【抗がん剤治療(化学療法)のメリットとデメリット】 手術では切除できない血液やリンパのがんを治療できる 抗がん剤のメリットは、手術では切除できない血液やリンパのがんに対して治療を行えるということです。 がんの種類によって抗がん剤だけで治療を行うこともあれば、 手術や放射線などの他の治療と合わせて補助的に抗がん剤治療を行うこともあります。 手術で切除するには腫瘍が大きくなりすぎてしまったがんを縮小させ、 転移している可能性の高いがんに対して全身作用するので転移や再発を防止することができます。 現在では多くの病院で通院治療が行えるようになり、日常生活を送りながら、 仕事を続けながら治療を受けることが可能となりました。 家族と一緒に過ごすことで精神的なストレスを緩和し、 QOL(生活の質)を保ちながら治療を続けられるのは大きなメリットと言えるでしょう。 常に新たな抗がん剤が開発されており、治療範囲の拡大や薬剤効果の向上が期待できます。 抗がん剤は血液のがんと呼ばれる白血病や、悪性のリンパ腫、 その他にも精巣がんや絨毛がんといったがん腫瘍に対しても効果を発揮します。 小児の急性リンパ性白血病に関しては5年生存率が70%以上という治療成績が出ており、 抗がん剤で治療ができる代表的な症状となります。 その他にも抗がん剤が良く効くがんとして、乳がんや卵巣がん、骨髄腫などは腫瘍の縮小や消失が期待できます。 前立腺がんや甲状腺がん、胃がん、肺がん、大腸がん、子宮がんや胆道がん等に対しても効果があり症状を和らげさせる効果が確認されています。 それぞれの部位によって効果のある抗がん剤が異なるので、治療を受ける際に主治医から説明を受けると良いでしょう。 しかし、中には抗がん剤の効果が期待できないがんもあります。 腎がんや膵がん、肝がんなどがその代表で、腫瘍の縮小させることも難しいと言われています。 肝がんに対しては、 動脈にカテーテルを通してがん細胞へ抗がん剤を注入する動注化学療法と呼ばれる治療法が開発されましたが、 病院間の技術の格差が大きく標準治療とはなっていません。 【抗がん剤による主な副作用】 主な副作用として、 吐き気、発熱、便秘、下痢、疲れやすい、だるい、食欲不振、口内炎、脱毛(抜け毛)、手足のしびれ、貧血、腎臓や肝臓の障害などが挙げられます。 脱毛や吐き気については、 抗がん剤治療を受けると決めてから想定していたのでまだ我慢できるという方もいらっしゃいますが、 酷い口内炎によって喋ることも食べることもつらいという訴えも多く、 病院によっては口腔ケアを実施しているところもあります。 抗がん剤の副作用が強い理由として、抗がん剤の効果が出てくる量と、副作用が出てくる量の幅が非常に狭い、 または副作用が先に出てくる場合があるからです。 一般に使われている風邪薬などは、用法・用量を守って飲むと解熱や咳止めの効果が出ます。 その量を超えて飲むと、今度は有害な効果が出てきます。 だからといって10倍程度の服薬をしても市販薬で命を落とすことはまずありません。 しかし、抗がん剤の場合、副作用が出てきてから更に投与して、やっと本来の効果が出るといった場合もあります。 完治は難しいが抗がん剤で進行を抑え、 延命できるがんの場合だと、その効果よりも副作用によって苦しむケースが少なくありません。 【がんを治療するのか、生活の質を改善するのか】 抗がん剤でがんを消失させて完治させるケースがある一方で、 抗がん剤の副作用により苦しみ続けている患者様もいます。 がん細胞を消すことを目的とするのか、それともがんによる症状を緩和させて普段通り暮らせるようにするのか、 抗がん剤治療の目的は何なのかを主治医の方とよく話し合った方が良いでしょう。 がんの治療は日々進歩しており、 さまざまな治療法が登場していますが、 完璧な治療法というのはありません。 いくつかの治療法を組み合わせて、欠点を補いあって治療する 「がんの集合的治療」が大事だと考えられています https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/drug_therapy/dt02.html
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■がん患者 就労支援 がん になってもQOL向上(生活の質を上げる)ために、働くことが必要な場合があります。 経済的な理由だけでなく、 仕事をすることで社会とつながりを維持すること、 生活にメリハリができること等があげられます。 ハローワークや各施設のがん相談支援センターでも対応していますので、 気になった方は、調べてみてはいかがでしょうか。 ・厚生労働省ホームページ ・福岡県地域両立支援推進チーム