【原発不明がん】 原発不明がんとは、転移したがんがあるとわかっていても、最初にどこから発生したかわからないがんのことです。 【症状】 がんが体のどこに広がっているかによって異なり、できた臓器に関連した症状があらわれる場合もありますが、症状があらわれない場合もあります。症状の例には、以下のようなものがありますが、これらの症状があってもがんではない場合もあります。気になる症状が長く続く場合には、かかりつけの医師などに相談してみましょう。 1)リンパ節のはれ 首の周り、わきの下、太もものつけ根などのリンパ節は体の表面にあるので触れやすく、リンパ節に転移した場合には痛くないしこりとして見つかることがあります。 2)胸水、腹水 胸水がたまると息苦しさが出ることがあります。また、腹水がたまると腹部膨満感(おなかが張る感じ)が出てくることがあります。 3)肺腫瘍、肝腫瘍 肺腫瘍によって咳や胸痛、嗄声させい(声のかすれ)などが出ることがあります。肝腫瘍の大きさや場所によっては、おなかの上部の不快感や膨満感が出たり、腫瘤しゅりゅうに触れたりすることがあります。また、症状がない場合でも、健康診断などで実施される胸部X線検査や超音波(エコー)検査で、肺や肝臓に腫瘍が発見されることがあります。 4)骨の症状(痛み、しびれ、麻痺まひなど) 骨の痛みや、骨に移ったがんが神経を圧迫することによるしびれや麻痺が起こることがあります。骨のX線検査で異常が見つかる場合や骨折で見つかる場合もあります。 【患者数(がん統計)】 原発不明がんは、全悪性固形腫瘍の3~5%を占めるとされます。ただし、日本では原発不明がんについて全国規模の統計はなく、正確な罹患率は不明です。 【参考文献】 日本臨床腫瘍学会編.原発不明がん診療ガイドライン 改訂第2版.2018年,南江堂.
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【がん病巣の切除が可能であれば積極的に行われる治療法】 がんの手術・外科療法は白血病のような全身に広がるものを除き、 ほとんどすべてのがんに対して第一に選択される治療法です。 がんが一部に留まっている初期から中期のがんにはもっとも有効な選択肢と言えるでしょう。 その反面、目に見えないレベルの極小さな転移(マイクロ転移)は治療することが出来ません。 また手術の多くは麻酔をかけて行ないますので、 手術以前に麻酔に耐えられない場合は手術の適応外となります。 腫瘍部位を切除することによって生体機能が損なわれ、 術後障害などQOL(生活の質)の面でどうしてもマイナスになる可能性はつきまといます。 【手術のメリット・デメリット】 がん細胞がどこにも転移していなければ7割の確率で完治します。 がん手術のメリットは、がんの組織を局所的に取り除くことが出来る点が上げられます。 がん細胞を完全に取り除くことが出来ればがんは完治しますが、 現実的には目に見えないレベルの小さながん細胞が転移していることも多いようです。 一説によると早期の胃がんの場合は、手術によってほぼ100%の確率で完治すると言われています。 しかし、5年後、10年後に3割の方のがんが再発しているという事実から考えると、 手術が成功したら終わり、というような簡単な病気では無いということです。 しかし、がんは悪者で悪いものは取ってしまうのが一番いいという風潮が強く、 日本でがんの手術件数が多くなる大きな理由ともなっています。 手術のメリットは他にもあり、抗がん剤や放射線治療に比べて副作用が少ないという点があげられます。 しかし、臓器そのものを摘出してしまうので後遺症が残ること(臓器不全)があり、絶対に安全とは言いきれません。 がん手術のデメリットをあげてみると、 「手術をするとがんが飛ぶ」というのを聞いた事がある方もいらっしゃると思いますが、 手術したことで免疫力・抵抗力が下がり、今まで小さかったがんが大きくなり、がんが芽吹いてしまうことがあるのです。 また、手術時にメスの先端からがん細胞が別の場所に飛び、他の臓器へ転移するという可能性もあります。 そして、手術は体にかかる負担がとても大きいです。 近年では内視鏡手術の技術が向上して、治療の適応範囲が広がり、 以前と比べると体の負担は少なくなりましたが、 開腹手術のような大きな手術であれば、どうしても社会復帰に時間がかかってしまいます。 例えば、たった2cmの肺がんを手術で切除するために、 脇腹を30cmも切らなければならない、といったこともあります。 その結果、今までと同じような生活を送ることが出来なくなり、 手術後に長期間のリハビリが必要になってしまったりします。 https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/operation/ope02.html
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【がん 治療はいくらかかる?】 現在、日本では2人に1人が「がん」になると言われています。 お金より大切な〔いのち〕と言いますが、実際にいくらかかるのでしょうか?? 【「がん」になった時にかかるお金】 ・目安としてのがん種別 統計 がんの種類 入院・入院外費用 医療費総額 自己負担額 胃がん ¥643,765 ¥193,129 大腸がん ¥636,557 ¥190,967 直腸がん ¥787,923 ¥236,377 肝がん ¥627,624 ¥188,287 肺がん、気管がん ¥703,280 ¥210,984 乳がん ¥605,588 ¥181,676 子宮がん ¥624,498 ¥187,349 悪性リンパ腫 ¥975,624 ¥292,687 白血病 ¥1,556,488 ¥466,946 その他の悪性新生物 ¥672,852 ¥201,855 ※参考文献 厚生労働省 医療給付実態調査(平成27年) 統計表 第3表 疾病分類別、診療種類別、制度別数、日数(回数)、点数(金額) 「がん」の種類にもよりますが医療費の総額は概ね60万~70万円程度となっています。 社会保険や国民健康保険に加入していれば3割負担となるので、負担額は20万程度です。 【保険適用外の費用】 治療費以外にも、通院時の交通費やお食事代、入院時の個室代など保険以外でかかる出費も考慮しなければなりません。 また、がんの治療で抗がん剤を使う場合、脱毛はほとんどの方に現れる副作用です。 多くの方がウィッグを使いますが、ファッションウィッグであれば数万円程度で準備できますが、 天然毛を使った自然なウィッグだと50万円ほどするものもあります。 【がん保険】 民間のがん保険は大きく分けると2種類に分かれます。 1つは「➀がんと診断されたら給付される保険」もう1つは「②がんの特定の治療をしたら給付される保険」です。 医療環境やニーズの変化により、①②を組み合わせたもの等、保険商品が多様化しておりますが、 当院のような自由診療を利用する際は②だと民間の保険の適用外のこともありますので、 一度加入内容を確認されてはいかがでしょうか?
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【広範囲に作用してがん細胞の増殖を抑える】 細胞の増殖を抑える抗がん剤を用いて、がんの増殖を抑え、転移や再発を防ぐ目的で治療が行われます。 手術や放射線は局所的な治療であるのに対して、抗がん剤はより広範囲に治療の効果が及ぶので、 血液やリンパのがんのように広い範囲の治療を行う必要があるときに用いられます。 完全に治すことができない場合でも、 がん細胞を小さくすることで延命効果や痛みの症状などを和らげることが期待できます。 がんに対する薬は現在100種類近くあり、単独の薬剤で治療する場合と、 複数の抗がん剤を組み合わせて治療する場合があります。 錠剤やカプセルなどの経口投与や、点滴や注射で直接体内に注入する方法があります。 【抗がん剤治療(化学療法)のメリットとデメリット】 手術では切除できない血液やリンパのがんを治療できる 抗がん剤のメリットは、手術では切除できない血液やリンパのがんに対して治療を行えるということです。 がんの種類によって抗がん剤だけで治療を行うこともあれば、 手術や放射線などの他の治療と合わせて補助的に抗がん剤治療を行うこともあります。 手術で切除するには腫瘍が大きくなりすぎてしまったがんを縮小させ、 転移している可能性の高いがんに対して全身作用するので転移や再発を防止することができます。 現在では多くの病院で通院治療が行えるようになり、日常生活を送りながら、 仕事を続けながら治療を受けることが可能となりました。 家族と一緒に過ごすことで精神的なストレスを緩和し、 QOL(生活の質)を保ちながら治療を続けられるのは大きなメリットと言えるでしょう。 常に新たな抗がん剤が開発されており、治療範囲の拡大や薬剤効果の向上が期待できます。 抗がん剤は血液のがんと呼ばれる白血病や、悪性のリンパ腫、 その他にも精巣がんや絨毛がんといったがん腫瘍に対しても効果を発揮します。 小児の急性リンパ性白血病に関しては5年生存率が70%以上という治療成績が出ており、 抗がん剤で治療ができる代表的な症状となります。 その他にも抗がん剤が良く効くがんとして、乳がんや卵巣がん、骨髄腫などは腫瘍の縮小や消失が期待できます。 前立腺がんや甲状腺がん、胃がん、肺がん、大腸がん、子宮がんや胆道がん等に対しても効果があり症状を和らげさせる効果が確認されています。 それぞれの部位によって効果のある抗がん剤が異なるので、治療を受ける際に主治医から説明を受けると良いでしょう。 しかし、中には抗がん剤の効果が期待できないがんもあります。 腎がんや膵がん、肝がんなどがその代表で、腫瘍の縮小させることも難しいと言われています。 肝がんに対しては、 動脈にカテーテルを通してがん細胞へ抗がん剤を注入する動注化学療法と呼ばれる治療法が開発されましたが、 病院間の技術の格差が大きく標準治療とはなっていません。 【抗がん剤による主な副作用】 主な副作用として、 吐き気、発熱、便秘、下痢、疲れやすい、だるい、食欲不振、口内炎、脱毛(抜け毛)、手足のしびれ、貧血、腎臓や肝臓の障害などが挙げられます。 脱毛や吐き気については、 抗がん剤治療を受けると決めてから想定していたのでまだ我慢できるという方もいらっしゃいますが、 酷い口内炎によって喋ることも食べることもつらいという訴えも多く、 病院によっては口腔ケアを実施しているところもあります。 抗がん剤の副作用が強い理由として、抗がん剤の効果が出てくる量と、副作用が出てくる量の幅が非常に狭い、 または副作用が先に出てくる場合があるからです。 一般に使われている風邪薬などは、用法・用量を守って飲むと解熱や咳止めの効果が出ます。 その量を超えて飲むと、今度は有害な効果が出てきます。 だからといって10倍程度の服薬をしても市販薬で命を落とすことはまずありません。 しかし、抗がん剤の場合、副作用が出てきてから更に投与して、やっと本来の効果が出るといった場合もあります。 完治は難しいが抗がん剤で進行を抑え、 延命できるがんの場合だと、その効果よりも副作用によって苦しむケースが少なくありません。 【がんを治療するのか、生活の質を改善するのか】 抗がん剤でがんを消失させて完治させるケースがある一方で、 抗がん剤の副作用により苦しみ続けている患者様もいます。 がん細胞を消すことを目的とするのか、それともがんによる症状を緩和させて普段通り暮らせるようにするのか、 抗がん剤治療の目的は何なのかを主治医の方とよく話し合った方が良いでしょう。 がんの治療は日々進歩しており、 さまざまな治療法が登場していますが、 完璧な治療法というのはありません。 いくつかの治療法を組み合わせて、欠点を補いあって治療する 「がんの集合的治療」が大事だと考えられています https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/drug_therapy/dt02.html
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大腸がん ステージ4 手術?化学療法? 2021年2月10日、国立がん研究センターから検証結果が発表されました。 ・これまでステージ4大腸がんで原発巣の症状がない場合、 原発巣の切除を優先するかどうかについては医師により意見が分かれていた。 ・検証の結果、切除 「する」のと「しない」で生存期間に差はなかった。 ・切除後の化学療法では切除した方が有害事象の頻度が高かった。 ・原発巣による症状がない場合は、切除せずに化学療法を行ったほうが良いという結果になった。 詳細は国立がん研究センターのホームページをご確認ください。 https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2021/0210/index.html https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2020/20210210/press_release_20210210.pdf