福岡がん治療ブログ

福岡天神がんクリニックのスタッフが発信する「がん」に関する情報

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  • 【がんが発生した部位を切除せずに完治を目指せる治療】   エックス線や電子線、ガンマ線を用いて、体の外側や内側からがん細胞の遺伝子にダメージを与えて死滅させる治療法が 放射線治療です。   放射線によってがん細胞の周囲の正常細胞もダメージを受けますが、 正常細胞はがん細胞と違って自己修復することができます。   切り取ってしまうと生活に不便が出てしまう部位にできた腫瘍を放射線治療によって消滅させることで、 QOL(生活の質)の低下を防ぎながら治療が可能です。   放射線治療には根治目的の治療、手術や抗がん剤治療の補助、症状の緩和を目的とした治療の3種類があります。 照射してすぐに出る急性の副作用と、半年から一年以上経過してから出てくる遅発性の副作用があり、 遅発性の副作用は機能不全などの重い症状が多くなります。     【放射線治療のメリットとデメリット】 切除が出来ない腫瘍や大きく成長してしまった腫瘍を縮小させて手術可能にする   放射線は手術の前に照射するのと、手術後に照射をするのとで治療目的が異なります。   手術の前に放射線治療をする目的は主に、切除不能な腫瘍を縮小させて手術可能にすること、 また切除可能な腫瘍に対しても切除範囲を縮小させて出来るだけ部位を温存させるために行います。   手術の後に照射するのは、取り残してしまったがん細胞を放射線によって消滅させて 再発率を低下させるために行います。   放射線治療の大きなメリットは 体を切らずに治療することができるので、患者様の負担が少なく、体の機能が維持できるという点です。   例えば、喉頭がんや声門がんの場合、 手術をすると声を失ってしまうというリスクを避けて治療することが可能になります。 前立腺がんの治療でも早期の場合は放射線だけで根治させることが可能であり、 性機能の障害などを残さずに治療することが出来ます。   放射線治療の副作用は急性と遅発性の2種類あり、 放射線治療にはメリットばかりではなく、デメリットも存在しています。 その一つが放射線による副作用です。   放射線治療の副作用は主に、治療後すぐに発現する急性の放射線障害と、 半年から1年以上経過してから発現する遅発性の放射線障害があります。   急性の副作用は皮膚のかゆみや水ぶくれ、頭痛、脱毛、吐き気、疲労感や食欲減退、 白血球の減少による感染症のリスクなどがあげられます。   遅発性の副作用は頭部であれば脳組織の壊死や脳梗塞、胸部では肺の線維化による呼吸障害、 腹部では腎不全や膀胱炎の慢性化など、血管や細胞の壊死によって機能不全などの障害が起きることがあります。   急性副作用は対症療法がありますが、遅発性の場合だと一度出現すると治すことができないので、発現させないことを目指します。 現在では照射限度を超えないように努力されており、重篤な副作用の発生はまれであるとされています。   https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/radiotherapy/rt_01.html

  • 【コータックとは?】 コータックとは「Kochi Oxydol-Radiation Therapy for Unresectable Carcinomas:高知大学発のオキシドールによる増感作用を利用した切除不能ながんに対する放射線治療法」の略で、さまざまな固形がん(血液のがん以外の乳がんや肺がん、大腸がんなど、臓器やさまざまな組織などで塊をつくるがんのこと)に効果を発揮する「増感放射線療法」です。   【増感のしくみ】 がん細胞は正常細胞に比べると酸素を必要とせずに増殖することから、がんとその周囲は低酸素状態であることが知られています。さらに抗酸化酵素(放射線からがんを守る効果がある酵素)が増加します。このことから放射線の効果は30%以下に低下してしまいます。   高知大学名誉教授、小川恭弘先生の研究により「オキシドール+ヒアルロン酸」を腫瘍に注射すると、 抗酸化酵素を分解し酸素が発生するため、放射線治療の本来の力を発揮することが明らかになりました。   現在は保険適用になっていませんが、2022年に保険適用を目標としてイギリスで研究が進んでいます。   最新情報はこちらでご確認ください。 https://kortuc.com/jp    

  • 【がん細胞の特徴を捉え、効率よく攻撃する新しい薬】   分子標的薬とは、がん細胞に特異的に発現する特徴を分子や遺伝子レベルで捉えてターゲットとし、 がん細胞の異常な分裂や増殖を抑えることを目的とした治療薬です。   がん細胞の特定の分子だけを狙い撃ちにするので、正常な細胞へのダメージが少なく、 従来の抗がん剤と比べると体への負担も少なくなっています。   しかし、分子標的薬だからといって副作用が無いわけではなく、 重大な副作用によって複数の方が亡くなっている分子標的薬もあります。   分子標的薬によって標的となる分子が異なるため、 副作用のパターンも多く存在しており、 服用する際には医師や薬剤師の説明をしっかりと聞いて理解するようにしましょう。   日本ではこれから広まっていくであろう分子標的薬ですが、 世界では抗がん剤といえばすでに分子標的薬となっています。     【分子標的薬のメリットとデメリット】 細胞を死滅させるためではなく、異常な働きを抑えるための薬   従来の抗がん剤はがん細胞を死滅させることを目的として作られており、 その作用は正常な細胞に対しても被害を与えていました。   特に細胞増殖が活発な細胞を攻撃するため、 がん細胞だけでなく毛髪や消化器系の細胞まで攻撃対象となり、 抗がん剤からのダメージを受けて、吐き気や脱毛などの副作用を 引き起こしていたのです。   そこで新たに、がん細胞にだけ存在する物質(遺伝子やタンパク質)を標的にして 攻撃する方法が無いかと考え出されたのが分子標的薬です。   分子標的薬は、がん細胞の増殖・転移・浸潤に関わる分子を標的にして、 最初からがん細胞の特定の活動を抑えることを想定した上で開発されています。   がん細胞だけに存在する分子を標的にすれば、 正常な細胞に与える副作用も少なくてすむはずです。     【これまでの抗がん剤とは異なる副作用】   分子標的薬は標的となる物質を持たない正常な細胞には攻撃を行わないため 副作用が少ないと考えられていました。   事実、乳がんの治療に使われているトラスツズマブは、 従来のような副作用はほとんどないとされています。   しかし、分子標的薬だからといって副作用が全くないわけではなく、 薬剤性肺炎や皮膚障害など、一般的な抗がん剤とは違った副作用の報告もあります。   分子標的薬はそれぞれ作用するメカニズムが異なるため、 治療薬によって引き起こされる副作用も異なるのが特徴です。   https://ganclass.jp/treatment/foundation/basic04.php

  • 【トリプルネガティブ乳がんとは?】 トリプルネガティブ乳がんとは乳がん細胞の表面に、 ホルモン受容体である①エストロゲン受容体と②プロゲステロン受容体、そして ③HER2(ハーツー)タンパクの 3 つがいずれも存在しないタイプの乳がんです。   治療には、ホルモン療法薬や抗 HER2 薬は使わず、抗がん剤を使うのが一般的です。   乳がん全体の15~20%がトリプルネガティブ乳がんだと言われています。   トリプルネガティブ乳がんは、ホルモン療法や抗HER2療法の効果は期待できませんが、一方で、化学療法の感受性は高いといわれており、なかには予後良好な性質のものも存在します。   【乳がんの進行度】 乳がんの進行度は以下の基準で5つに分けられます。 しこりの大きさと乳房内での拡がり具合 リンパ節への転移状況 身体の他の臓器への転移の有無 ■乳がんの進行度(臨床病期分類) 参照:日本乳癌学会編.臨床・病理 乳癌取扱い規約 第18版.2018年,p6,金原出版   【乳がんの最も基本的な治療は手術】 この中で最も基本となるのが手術です。 その理由は、身体の中にできた悪い細胞を一度に全て取り除くことが根治への近道であり、 他の治療法を加えるにしても、手術によりがんの量を少しでも減らした方が、他の治療を成功させる確率が高くなるからです。   しかし、最近は、乳がんの手術に対する考え方が変わり、薬物療法、放射線照射法が進歩したことから、手術主体の治療ではなく、 患者さんの病態に応じて、これらの治療法がうまく共働するように組み合わせて、治療を行うことが多くなってきています。   しこり(がん)の大きさや拡がり、悪性度、リンパ節への転移状況、その他の検査所見をもとに治療法が決定されます。 がんが少々大きすぎたり、リンパ節への転移があるような場合、あるいは、大き目のしこりを小さくして乳房温存手術ができるようになるかどうかを検討する場合には、 手術前に薬物療法を行います。逆に、乳房から離れた臓器に既に転移(遠隔転移)しているときは 、手術以外の治療法が主として検討されますが、最初に手術をしてがんの量を減らしてから、薬物療法を行うこともあります。    

  • 【ホルモン療法(内分泌療法)の特徴】   がん細胞の増殖に関係するホルモンが供給されないようにすることで、 抗腫瘍効果を発揮するホルモン療法は、がんの成長を促すホルモンの分泌を抑えたり、 ホルモンががん細胞に作用するのを抑えたりすることで、 がんの増殖を阻害する治療法です。   人間の体内ではさまざまなホルモンが分泌されていますが、 がん細胞の増殖に影響を及ぼすホルモンも存在します。   特定のホルモンの作用により活発化するタイプのがんでは、 ホルモンの作用を抑えるホルモン剤を投与することで、 がんの増殖を防ぐことが期待できます。   対象となる臓器は、女性は乳がん、子宮体がん、卵巣がん、 男性なら前立腺がん、といった生殖器のがんを中心とする 「性ホルモンで成長するがん」となります。 例外的に、甲状腺がん、腎がんなどもあります。   このようながんを、 「ホルモン依存性のがん」と言います。 ホルモン依存性かどうかは、 がん細胞の核の中にホルモン受容体があるかないかで決まります。     【ホルモン療法のメリットとデメリット】   ホルモン受容体のあるがんならば、 ホルモン療法の効果が期待できます。   がんを根治することはできませんが、 がんの進行を遅らせるのには有効です。   なおかつ細胞毒系の抗がん剤のように直接的に細胞やDNAを破壊したりするわけではないので、強 い副作用が少ないというメリットがあります。   ホルモン療法の有効性を見極めるためには、 がん細胞を採取して、ホルモン受容体があるかないか(陽性か陰性か)を調べます。 ホルモン受容体がない場合は、 ホルモン療法を行ったとしても効果が得られませんので、 抗がん剤を行うことが標準的選択です。   また、欧米では特定のがんの発症リスクの高い人に対し、 予防的にも投与されています。   副作用が少ないとというメリットはありますが、 副作用が伴う場合もあります。   薬剤の種類にもよりますが、 ほてりや発汗などの更年期障害のような症状や関節痛などを起こす場合があります。   https://ganclass.jp/treatment/foundation/basic04.php

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