福岡がん治療ブログ

福岡天神がんクリニックのスタッフが発信する「がん」に関する情報

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  • がんリスク検査 「がんリスク検査」とは「がん」自体を見つける検査ではなく、「がん」になっている可能性を調べる検査のことです。 一般的に、血液、尿、唾液等を調べ、「がん」の影響で体に変化が起こっていないかを調べます。 最近話題になっているのは、2019年11月に東芝が発表した血液中のマイクロRNAを測定するものです。 まだ実用化には至っていませんが、1滴の血液から13種のがんを検出可能で、検査時間:2時間、費用:2万円以下で実用化を目指しているそうです。 さらに、尿中のがんの匂いに反応する線虫を用いた検査も話題になっています。 こちらは、一般販売を2020年10月末より開始し、ニュースになっていました。 一般販売開始に関連し、いかに検診が大事かという点で当クリニック院長が取材を受けコメントしております。 また、当クリニックでは、料金や汎用性を考慮し血液中の金属元素を検査する「メタロ・バランス検査」を行っています。 6mlの採血で、男性6種類、女性9種類のがんを同時に検査できます。 最近のコロナ禍の影響で検診自体を控える方が増えているようですが、 「がんリスク検査」は、時間や費用の負担が少ないものが多くありますので、 気になったものがあれば問合せしてみてはいかがでしょうか? ■マイクロRNA https://www.toshiba.co.jp/rdc/detail/1911_06.htm ■線虫がん検査 https://hbio.jp/srv/nnose1 ■メタロ・バランス検査 https://metallo-balance.net/lp/ http://tenjin-cc.net/examination/

  • 「再発」とは 「再発」とは手術で取りきれていなかった目に見えない小さながんが残っていて再び現れたり、 抗がん剤治療や放射線治療でいったん縮小したがんが再び大きくなることをいいます。   治療した場所の近くで再発を指摘されるだけでなく、 別の場所で「転移」としてがんが見つかることも含めて再発といいます。   再発する確率は、男女ともに罹患(りかん)率、死亡率の高い大腸がんにおいて、患者さんのうち約19%の方に再発が認められ、ステージが上がると再発率も高くなるデータが出ています。 ※大腸癌研究会ホームページ 「大腸癌治癒切除後のStage別再発率と術後経過年数別累積再発出現率」より http://www.jsccr.jp/guideline/2019/document.html   「転移」とは 「転移」とは、がん細胞が最初に発生した場所から、血管やリンパ管に入り込み、血液やリンパ液の流れに乗って別の臓器や器官へ移動し、そこで増えることをいいます。   多いのは、リンパ液の流れが集まるリンパ節への転移(リンパ行性(こうせい)転移)、 肺や肝臓、脳、骨など血液の流れが豊富な場所への転移(血行性転移)です。   「播種(はしゅ)」とは、がんのできた臓器からがん細胞がはがれ落ち、近接する体内の空間(胸腔(きょうくう)や腹腔(ふくくう))に散らばるように広がることをいいます。   「浸潤」とは転移と別に考えられることも多いですが、原発巣から隣接する他の臓器に広がっていくので、転移の一つと言えると思います。   転移は、肺、肝臓、脳、骨などさまざまな部位に起こり得ます。原発から転移したがん病変を、転移した部位によって、肺転移、肝転移、脳転移、骨転移、腹膜転移(腹膜播種)などと呼びます。これらは、病気がその部分に広がっていることを示しています。   「原発巣(げんぱつそう)」 最初にできたがんの部位は「原発巣(げんぱつそう)」と呼ばれます。 例えば、大腸に初めにがんができ、肺に転移した状態は肺がんとは呼ばれず、 「大腸がんの肺転移(原発は大腸がんで、肺転移を起こした状態)」です。   この場合、肺にできたがんは、大腸がんの細胞と同じ性質を持っています。 つまり、「転移」した部分のがんは、もともとのがんと同じ性質を持つことになります。   そのため、例えば大腸が「原発」のがんであれば、 肺に転移した腫瘍(しゅよう)も、大腸がんに効果がある抗がん剤でないと反応しません。   「原発」「転移」は治療方針の決める大事な情報 初めてがんと診断された場合でも、病気が進んだ状態で発見されると、診断がついた時点でこれらの状態のいくつかを併せ持っていることもあります。 「原発」がどこか、その腫瘍が「転移」か「原発」か、再発した部位はどこかなどが、がん治療の方針を決める重要な情報になります。   いずれの転移であるかを知ることによって、抗がん剤などの副作用の強い薬などに挑むときの是非などについての判断材料になるので、大切な知識です。 血行性転移の場合、抗がん剤にのぞみをかけるのは間違った選択ではないかもしれません。 しかし、リンパ行性転移や播種性転移の場合、抗がん剤ではなく、免疫療法や遺伝子医療などの先端治療を候補に入れる方が良いことも多いです。   浸潤においても、手術後の再発が気になってきます。 再発が分かってからがんの治療を行うと選択肢が限られてくる可能性は高いです。 あらかじめ、先端治療なども候補に入れるべきかもしれません。   いずれにしても、同じ転移でも種類が違うと治療の選択肢も変わってくるので、 これらの転移の違いを良く調べて治療に臨むようにした方がよいことは間違いがありません。

  • [がんのステージ]   「がん」の進行を表す言葉として、「ステージ」がよく知られています。 ステージ1~ステージ4までに分類されますが、「4」が一番悪いんでしょ?末期でしょ?くらいの認識で、その具体的な意味や分け方までご存じの方は少ないでしょう。    「著名人の○○さんが△△がんのステージ□□!」と報道されることがよくあります。中には、同じステージの患者さんが動揺したり、誤解したりする方がいらっしゃいます。   がんの種類によって、がんのステージの分け方は、全く異なります    ◇「がんのステージ」とは?   日本の最新の基準では、胃がんは8段階、大腸がんは11段階、膵がんは7段階といったように、がんの種類によって段階の数は異なり、その分類法も全く異なります(*)。    がんの大きさ、深さ、広さ、どの臓器にどのくらい転移しているか、といった様々な要素を組み合わせて分類します。    これらのステージは、「がん」ごとに「取扱い規約」よって定義されます。この規約は定期的に更新され、少しずつ分類方法が変わります。 より正確に分類ができるように進歩しています。    よって、  「ステージ3の肺がんとステージ2の胃がんはどちらが進行しているか?」 という質問に答えはありません。    がんの種類によって分類の仕方が違うのですから、単純比較できないのです。    当然ながら、ステージ3の肺がんとステージ3の胃がんが「同じくらい悪い」というわけでも全くありません。    ◇同じがんの同じステージでも病状は違う    たとえ同じがんの同じステージであっても、病状は全く異なることがあります。    例えば、肝臓にわずか1センチの転移が1カ所だけある大腸がんはステージ4ですが、全身の臓器に数え切れないほどがんが転移している状態でもステージ4です。前者であれば手術で切除することも検討できますが、後者であれば治療の主体は抗がん剤治療になるでしょう。    同じステージ4にもこれだけ幅があり、治療方針も全く違うのです。    つまり、報道された著名人と同じがん、同じステージであっても症状や治療法はそれぞれ異なります。      ◇ステージ4は末期ではない    さらに、「ステージ4」=「末期がん」だと思い込んで落ち込んでしまう人もいます。 しかし、たとえステージ4でも治療を行うことで長く生きられるケースはあります。    前述しているように同じステージ4でも、がんの種類・治療の効き具合により経過は異なります。 よって、治療が進歩した今、ステージ4がすなわち「末期」だとは決して言えないのです。    「ステージ」はおおまな判断基準にはなりますが、病状を正確に理解するには、より詳しい医学的な情報が必要なのです。 (*)参考資料 胃癌取扱い規約第15版 大腸癌取扱い規約第9版 膵癌取扱い規約第7版増補版

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