子宮体がん

子宮体がんとは

女性の生殖臓器である子宮は骨盤の中央に位置しており、その両側には左右の卵巣があります。子宮は、解剖学的に子宮の下部、つまり子宮の出口にあたる子宮頚部と、子宮の上部、子宮の袋の部分に相当する子宮体部より構成されています。子宮がんとは子宮の上皮性悪性腫瘍を指し、子宮頚部に発生する子宮頚がんと子宮体部に発生する子宮体がんに大別されます。

子宮体がんは、子宮内膜組織から発生します。子宮内膜から発生するため、子宮内膜がんとも呼ばれます。40代後半から発症率が増加し、50~60代がピークとなります。子宮内膜に多く発生しますが、子宮内膜は月経時にはがれ落ちるため、閉経前の女性で発症することは少ないといわれています。
子宮頸がんほど、報道などはされていませんが、子宮体がんも多くなっています。日本人女性の約60人に1人が生涯のうちに、子宮体がんになっています。

子宮体がんの種類

・類内膜がん
・漿液性がん
・明細胞がん  など

子宮体がんの原因

子宮体がんの主な原因とリスク要因は、次の通りです。

・ホルモン関連
子宮体がんの約80%は、女性ホルモンに関連して発生します。エストロゲンという女性ホルモンが多すぎると発生しやすいことが分かっています。エストロゲンは月経周期をコントロールするホルモンの1つです。初経が早く、閉経が遅い方はリスクが高くなるといわれています。
また、不妊や出産経験がないことも挙げられます。この影響は出産経験が無いこと自体ではなく、出産経験が無いことによって女性ホルモンの分泌サイクルが一定であることの影響だと考えられています。

・肥満、糖尿病、高血圧など
肥満と子宮体がんの関係は、海外の研究で太り気味(BMIが25以上30未満)では通常の方の約1.5倍、肥満(BMIが30以上)では約2.5倍のリスクがあると報告されています。

・遺伝的要因
子宮体がんと関連した病気として、リンチ症候群という遺伝性の病気があります。一般女性では生涯に子宮体がんになる方は約2.7%ですが、リンチ症候群の女性では約60%ととてもリスクが高くなっています。
ご家族・親族にリンチ症候群の方がいらっしゃる場合は、ご本人もリンチ症候群に関する検査を受けていることが多いですが、注意が必要です。

初期症状

子宮体がんで、最も多い自覚症状は出血です。年齢とともに不正性器出血の頻度は高くなります。不正性器出血があれば、「必ず子宮体がんがある」というわけでは無く、他の原因によって出血することもありますので、早めに婦人科を受診しましょう。
他には、排尿のしにくさ、排尿時の痛み、性交時の痛み、下腹部の痛みなどの症状があり、進行した場合は腹部膨満感(おなかが張る感じ)があらわれることもあります。

検査方法

子宮体がんの疑いがある場合、子宮内膜の細胞の病理検査などを行い、がんがあるかどうかを確認します。

細胞診とは、腟から子宮内に細いチューブやブラシのような器具を挿入して、子宮内膜の細胞を採取し、がん細胞があるかどうか顕微鏡で調べる検査です。細胞を採取する際、個人差はありますが、チクッとした痛みを感じる場合があります。検査後数日間は、おりものが茶色っぽくなったり、出血したりすることがあります。
細胞診で異常があった場合には、疑わしい部分の子宮内膜の組織を削り取ったり吸い取ったりして採取し、顕微鏡でさらに詳しく調べる組織診をします。この検査で組織型や悪性度を調べ、子宮体がんであるかの確定診断をします。

内視鏡を腟から子宮体部に入れて、がんの位置や形状を直接確認する子宮鏡検査をすることもあります。病理診断と組み合わせて行う場合が多いです。

診察や検査の結果、がんである可能性が高いと判断された場合に、エコーやCT検査、MRI検査などで画像検査を行い、がんの大きさやリンパ節転移の有無、肺や肝臓などへの遠隔転移の有無、周辺臓器へがんがどの程度広がっているかなどを調べます。

統計情報

■ 診断される数(2019年) 17,880例
■ 死亡数(2020年) 2,644人
■ 5年相対生存率(2009~2011年) 81.30%

ステージ別生存率

2011~2013年の子宮体がんのステージ別5年相対生存率は
ステージ1:94.8%
ステージ2:85.5%
ステージ3:71.6%
ステージ4:24.3%
と報告されています。

子宮体がんの治療方法

子宮体がんの治療の第一選択は手術(子宮・卵巣・卵管の摘出)です。基本的に開腹手術ですが、切除する範囲によって異なります。将来子どもをもつことを希望している場合には、妊孕性温存治療(妊娠するための力を保つ治療)が可能かどうかを、治療開始前に担当医に相談しましょう。

 

早期の子宮体がんでは、腹腔鏡下手術や手術用ロボットを遠隔操作して行うロボット支援下手術が可能な場合もあります。出血が少ない、入院が短期間になるなどのメリットがありますが、がんの進行の程度や、年齢、他にかかっている病気などによっては、行えない場合があります。手術の方法については、担当医とよく相談しましょう。
手術の合併症としては、排尿トラブル、便秘、リンパ浮腫、更年期障害のような症状の出現などがあります。

 

放射線治療は、高エネルギーのX線やガンマ線でがん細胞を傷つけ、がんを小さくします。
手術後の再発予防を目的として、体の外から放射線を照射する外部照射、または、腟内から子宮の中に放射線を照射する腔内照射を行います。

 

再発のリスクを減らすことを目的として、手術後に点滴や飲み薬による薬物療法を行うことがあります。また、手術でがんが切除できない場合や、切除しきれない場合、がんが再発した場合にも薬物療法を行います。薬剤の選択は、患者さんの状態や副作用などを考えて決めていきます。
また、再発リスクが高い場合の補助的な治療として、黄体ホルモン薬を用いた内分泌療法も行うことがあります。

ひらがなの「がん」は悪性腫瘍全体を示し、漢字の「癌」は上皮細胞から発生する癌腫として使われることもありますが、特に区別しないこともあります。当ページでは、原則として、「癌」についてもひらがなの「がん」を使っています。

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