先日、テレビ西日本様の情報番組より取材を受けました。 「コロナ禍で検診が激減 注目の郵送で最新検査 尿1滴で15種類わかる」というテーマで コロナ禍で「がん」を含む検診を受ける方が減っていることや、 新たな「がんリスク検査」が始まったことについて院長がコメントしております。 2020年11月3日(火)放送 テレビ西日本 番組名:ももち浜S 特報LIVE コーナー:おの調べ https://www.tnc.co.jp/tokuholive/back-number/archives/664
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がんリスク検査 「がんリスク検査」とは「がん」自体を見つける検査ではなく、「がん」になっている可能性を調べる検査のことです。 一般的に、血液、尿、唾液等を調べ、「がん」の影響で体に変化が起こっていないかを調べます。 最近話題になっているのは、2019年11月に東芝が発表した血液中のマイクロRNAを測定するものです。 まだ実用化には至っていませんが、1滴の血液から13種のがんを検出可能で、検査時間:2時間、費用:2万円以下で実用化を目指しているそうです。 さらに、尿中のがんの匂いに反応する線虫を用いた検査も話題になっています。 こちらは、一般販売を2020年10月末より開始し、ニュースになっていました。 一般販売開始に関連し、いかに検診が大事かという点で当クリニック院長が取材を受けコメントしております。 また、当クリニックでは、料金や汎用性を考慮し血液中の金属元素を検査する「メタロ・バランス検査」を行っています。 6mlの採血で、男性6種類、女性9種類のがんを同時に検査できます。 最近のコロナ禍の影響で検診自体を控える方が増えているようですが、 「がんリスク検査」は、時間や費用の負担が少ないものが多くありますので、 気になったものがあれば問合せしてみてはいかがでしょうか? ■マイクロRNA https://www.toshiba.co.jp/rdc/detail/1911_06.htm ■線虫がん検査 https://hbio.jp/srv/nnose1 ■メタロ・バランス検査 https://metallo-balance.net/lp/ http://tenjin-cc.net/examination/
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がん光免疫療法とは? がん光免疫療法とは、がん細胞に発生しているタンパク質と結合する抗体に光感受性物質の薬剤を静脈に注射し、非熱性の赤色光を照射することで、病気によって変わったがん細胞を破壊するという治療法です。 がんの治療法としては新しい治療法で、2020年9月の楽天メディカルジャパンの記者発表もあり、現在非常に注目されている治療法です。 さらに、この疫療法では破壊されたがん細胞が免疫細胞に対する抗原となるため、免疫細胞が残ったがん細胞に対してさらに攻撃することも期待できます。 がん光免疫療法のメリット がん光免疫療法の最大のメリットはがん細胞だけを効率よく破壊できる点です。 手術では、どうしてもがん細胞の周囲の正常な細胞も取り出します、放射線治療でもがん細胞にのみ放射線を照射することは難しく、がん細胞に集まった免疫細胞にも合わせて攻撃してしまいます。 しかし、がん光免疫療法では光感受性物質を加えられた抗体ががん細胞と結合し、そこに非熱性赤色光を照射しと光感受性物質が反応をすることで、がん細胞を破壊します。 光感受性物質は、非熱性赤色光にのみ反応するようになっているため、薬剤と結合していない健康な細胞や非熱性赤色光が当たらない細胞は破壊されません。 よって、がん光免疫療法は、がん細胞に集まってきている免疫細胞や周囲への健康な細胞への影響が少ないのです。 がん光免疫療法のデメリット がん光免疫療法のデメリットは、がん光免疫療法によって治療できる部位が限られてしまう可能性があるという点です。 その名の通り「光免疫療法」ですので、光が届かない場合には治療ができません。 ですが、現在研究でどの部位にも非熱性赤色光が届くように進められているため、研究結果に期待したいところです。 今後の課題 先日の楽天メディカルジャパンの記者発表で、厚生労働省が2020年9月に頭頚部がんに対する治療薬として、光免疫療法用薬アキャルックス点滴静注(一般名:セツキシマブ サロタロカンナトリウム)を承認しました。 では、なぜ頭頚部がんのみなのでしょうか。 それは今回発表になったアキャルックスの標的がEGFR(上皮成長因子受容体)のがん種ごとの発現率も関与していると言われています。 EGFRの過剰発現率はがん種によって下記のに様に異なっています。 ■EGFR発現率 ・頭頸部がん 36-100% ・腎がん 50-90% ・非小細胞肺がん 40-80% ・前立腺がん 40-80% ・卵巣がん 35-70% ・胃がん 33-74% ・大腸がん 25-77% ・乳がん 14-91% ※Salomon DS,et al.(1995).Crit Rev Oncol Hematol 19 見ていただいたら分かる通り、100%に達しているのは頭頚部がんのみです。 このことが頭頚部がんだけが承認された要因の一つではないかと言われています。 このように標的となる受容体の多様化や多種の受容体を標的にする薬剤の開発、またはその他の治療法と併用することで、全てのがん種への効果が期待できる様になることが今後の課題であると言えます。
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ラジオ波治療のメリットとデメリット ~傷口が針一本分のため治療後の体力低下がほとんどなく、繰り返し治療が可能~ ラジオ波治療は患部に針を刺して行うので、開腹や開胸を伴う手術よりも体に対する負担が少なく、治療後の焼き残しが発見された時にも繰り返し治療が行えることが大きな利点といえます。 もしがんが再発した場合でも再治療が可能で、抗がん剤や放射線治療などと合わせて治療を行なうことも出来ます。 ラジオ波治療の適応は、一般的には腫瘍の大きさが3cm以下で腫瘍の数が3個以下、もしくは腫瘍が1つで5cm以下の腫瘍であれば、完全に治療を行なうことができ、合併症の確率も抑えられると言われています。 主に肝臓がんに実施されているラジオ波治療ですが、乳房を切除せずにがん細胞だけを死滅させることが可能なため乳がんの治療にも用いられており、切らない乳がん治療としても注目を集めているようです。 ラジオ波治療を先進医療や自由診療で受ける場合の治療費は、入院費などを含めると平均で40万円前後になります。 保険診療が認められているのは肝がんのみで他は臨床試験の段階 2017年4月時点で、ラジオ波治療が保険診療として認められているのは肝がんに対してのみで、その他の部位に対しては治療費は自己負担となっています。 先進医療の制度の下で行われている早期乳がんの場合も、入院や検査などには保険が適用されますが、治療費は実費となります。 特に「切らない治療」として関心の高い乳がんですが、数年前から一般の医療機関でも保険外の自由診療として治療を行なう病院が出てきました。 しかし、ラジオ波治療を受けたが再発してしまった患者がほかの医療機関に駆け込んでいるという報告が日本乳癌学会に複数寄せられ、研究以外の目的では行わないように要請が出ました。この通知に強制力はないものの、悪質なケースでは対応を検討するとしています。 なぜこのようなことが起きたのかというと、乳房は肝臓に比べて脂肪が多く、熱の伝わり方や組織の性質が違うため、肝臓の適応が当てはまらないということと、そもそも医師の技量不足という考え方があります。 臨床試験の段階である治療を受けるには、その治療のリスクをきちんと理解した上で治療を受けるか決める必要があるでしょう。 がん腫瘍の部位や大きさにより適用外になることも ラジオ波治療の適応は先に言及したように長径3cm以下で腫瘍が3個以下、または腫瘍が1つで5cm以下の腫瘍と考えられています。 がんのサイズが大きくなるほど、十分な熱量を与えることができずに「焼き残し」が起きる可能性が高まります。もし全てのがん組織を死滅させることが出来なかった場合、早期の再発に繋がります。 他にもラジオ波治療の合併症を考えると、ラジオ波により細胞が熱凝固される範囲に重要な血管や器官が入っていると、それも同じように凝固されます。それにより血管が詰まると、その血管が養う範囲はすべて壊死することになります。 肝臓の周囲には重要な臓器がひしめき合っており、上部には心臓、下には胃や大腸があり、 肝臓の表面に近い部位にできた腫瘍を焼灼すると、場合によってはそのような臓器を損傷してしまう可能性があるので注意が必要です。 ラジオ波治療が日本に導入されたのが1999年。2004年に保険適応になってから一気に普及し、 肝細胞癌の患者様の約3分の1がこの治療を受けられ、およそ9600人の5年生存率は56.3%という結果が出ています。 これは手術と比較してもほぼ同程度の数値であり、身体に負担のかからない治療としてはかなり良い数字だと言えます。 ラジオ波が優れた治療だということは多くの研究によって明らかにされていますが、 腫瘍の場所によっては合併症を起こす危険性があるので、ラジオ波治療が適さない場合もあるということを認識しておくべきでしょう。
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陽子線治療の特徴 体の中への透過力が高く、がん腫瘍をピンポイントで照射する 陽子線治療は、水素の元素核である陽子を、光速の70%ほどまで加速させてから体内のがん病巣にピンポイント照射する治療法です。 同じ仕組みを持つ重粒子線治療との違いは、重粒子で用いられる炭素イオンよりも粒子が軽いため、ビームを曲げやすく360度の方向から体内に照射することができます。 粒子が重い重粒子線は、がん腫瘍を殺傷する能力が陽子よりも高いですが、 その一方でがんの周囲に重要な神経や臓器がある場合は細心の注意が必要となります。 世界では重粒子線治療より陽子線治療の施設の方が多く、50施設以上で実施されており、そのうちの11施設が日本にあります。 アメリカには重粒子線の治療施設が無く、すべて陽子線で治療が行われています。 陽子線治療のメリットとデメリット 陽子線は粒子が軽く、ビームを曲げやすいため360度の方向から照射することが可能な回転ガントリーという装置が使用できます。 国内に限らず世界中で治療が行われており、各種がんに対するプロトコール(治療基準)も多くあるため、まだ医学研究の段階である重粒子線治療よりも比較的安全に治療することが出来ます。 重粒子線治療は細胞に与えるダメージが高い分だけ、照射する線量の調整がシビアで、 過去の事例が少ないために思わぬ有害事象を起こしやすいとも言えます。 それに比べて、陽子線治療は照射回数は増えるものの周囲の重要臓器を避けながら360度の方向から照射可能なので、より容易に治療を行うことが可能です。 世界での過去の治療者数を比べると、陽子線治療は約12万人、重粒子線治療は2万人弱となります。 北海道から鹿児島まで、国内18ヵ所の施設で治療が受けることができます。 https://www.antm.or.jp/05_treatment/04.html